講師の平林 豊です。
私は高校まで野球一筋でしたが、度重なる怪我で野球選手としてのキャリアを諦め、スポーツトレーナーの道でプロになるために高校卒業後にアメリカ留学をしました。

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元日米プロ球団職員が教える!英語ヒーローインタビュー講座2020

きっかけは、当時野茂英雄さんやイチロー選手がメジャーリーグで活躍している姿を衛星放送で見ていたのですが、そこで選手以外の日本人も同じチームのウェアを着てベンチにいたのがトレーナーであり、通訳の方々でした。「これなら僕でもメジャーリーグ球団の一員になれる!」と思い、大きな夢ができました。

それから大学在学中にご縁があり、千葉ロッテからFAでカンザスシティ・ロイヤルズに移籍した薮田安彦さんの専属通訳兼トレーナーのお仕事の話を知人から紹介を受け「これだ!」と思い、すぐにエージェントの方と連絡を取りチャンスをいただくことになりました。

仕事が決まったのは良いですが「果たして僕の英語力で大丈夫なのか・・・」と不安だけが募り、春のキャンプイン前はとにかくメジャーリーガーのインタビュー動画をくまなく調べました。キャンプが始まっても常にメモ帳を手に初めて聞く野球英語や、野球界独特の言い回しなどを学びながら業務を行いました。

ある日、薮田選手から「キャッチャーにもう少しコーナーギリギリで構えて欲しい」旨をキャッチャーに伝えてほしいと言われ自分なりに伝えましたが、なかなか理解してもらえませんでした。ジェスチャーを加えグランドの土に指で絵を描いてようやく理解してもらい、その時「要するに"Paint the black"ってことだな!」と言われたのを今でも鮮明に覚えています。直訳で「黒を塗る」。ホームプレートスレスレにボールが通過する軌道にそって黒色の影でなぞられることから、この表現になったことを教えてもらいました。そこから野球英語の面白さ、奥深さに興味を持ち、選手やコーチ陣に聞きまくって、オリジナルの「野球英語辞書」が完成しました(今でも随時更新中笑)。

僕は長年通訳業をやっていたわけではありませんが、言語の違う人の間に入りパイプ役になる面白さを学んだと同時に、恐ろしさも覚えました。何せ自分の発した言葉が選手の伝えたいニュアンスと異なってしまうと、選手に悪い印象を植え付けてしまったり、選手生命を危うくしてしまうリスクがあるからです。ただ一方で、自分の発した言葉で、選手の情熱が相手に伝わり、そこで新たな友情や信頼関係が生まれることが、この仕事の醍醐味だと思います。

今では毎年のように日本人メジャーリーガーが誕生しています。更にはトレーナーも、通訳も、スカウトも多くの日本人が世界で躍動していますが、場内アナウンサーは未だゼロ。アナウンサーだってメジャーリーグを目指していいと思いますし、きっとチャレンジすれば不可能なことではないと信じています。是非、日本初のメジャーリーグアナウンサーを目指していただきたいですし、我々もその大きな夢をかなえるために一生懸命サポートさせていただきます!皆様とお会いできることを楽しみにしています!

元日米プロ球団職員が教える!英語ヒーローインタビュー講座2020


<英語指導>
平林 豊(Yutaka Hirabayashi)
■ 株式会社インディッグ 取締役/海外ツアー事業部長
■ 元NATA公認アスレチックトレーナー

【球歴】
横浜商業高-南ミシシッピ大-MLBロイヤルズ球団職員

【プロフィール】
高校卒業後、米国にスポーツトレーナー留学。大学在学中は、同校硬式野球部の専属トレーナーを経験し、NATA(全米アスレチックトレーニング協会)認定アスレチックトレーナー取得。その後、MLBテキサス・レンジャーズの春季キャンプトレーナーを経て、MLBカンザスシティー・ロイヤルズの日本人選手の専属通訳兼トレーナーを歴任。